カズレーザーと学ぶ。集まるとバカになる!?最新研究で学ぶ群れの中で賢く生きる方法
令和5年1月24日放送 日本テレビカズレーザー
ゴリラとチンパンジーの集団コミュニケーションの違い
最新のゴリラ研究からわかったことによると、ゴリラは10~15頭ほどで家族的な生活を送っている一方、チンパンジーは複数のオスとメスからなる共同体を形成しています。ゴリラの集団は見返りを求めずに互いに奉仕するような組織ですが、チンパンジーの集団は互酬性によって成り立っています。
私たち人間は、家族的な集団を束ね、共同体を構築していますが、なぜそのような能力が求められるのでしょうか? この違いを説明するために、研究者は脳の大きさに注目しました。
人間の脳はゴリラの脳よりも3倍も大きいとされていますが、一部では、直立二足歩行が脳の容量を増大させたという説もあります。
しかし、山極氏はこの説に疑問を投げかけています。
なぜなら、直立二足歩行が起こったのは約500万年前のことであり、脳が大きくなったのはその後の社会の複雑化と関連しているからです。
社会が複雑化するにつれて、私たちの脳は成長していったのです。
ロビン・ダンバー氏の研究:現代人の集団サイズの上限は150人
ロビン・ダンバー氏という研究者が、人間の集団サイズの上限について興味深い研究を行っています。彼の研究によれば、現代人が一度に覚えられる人の顔の数はおおよそ150人が限界だそうです。
これは私たちの社会的な能力や集団コミュニケーションの限界を示しているのかもしれません。
150人という数字には、私たちがどれだけ社会的なつながりを持つことができるのかという興味深さがあります。
この研究結果から、私たちが集団を形成するためには、脳が大きくなるだけでなく、150人という限られた数の人々とのコミュニケーション能力を持つ必要があることが示唆されます。
ある程度の社会的な結びつきを形成し、互いを理解し支え合うことが、私たちが生きていくうえで不可欠なのかもしれません。
人間の集団形成と進化の意義
私たち人間は、ゴリラやチンパンジーとは異なる集団形成の特徴を持っています。それは、家族的な集団だけでなく、150人程度の共同体を形成する能力です。
この能力が、私たちの進化の一環として重要な役割を果たしているのかもしれません。
集団を形成するためには、私たちの脳の成長だけでなく、社会の複雑さやコミュニケーションの能力が必要です。
150人という限られた数の人々とのつながりを作り、互いを支え合うことが、私たちが進化してきた理由の一つなのかもしれません。
私たちは生まれながらにして社会的な生き物であり、他者との結びつきを求める存在なのです。
総括
最新のゴリラ研究から見た集団コミュニケーション進化論について考えてみました。ゴリラとチンパンジーの集団形成の違い、人間の脳の成長と社会の複雑化、そして現代人の集団サイズの上限という興味深い研究結果を紹介しました。
私たちは、150人程度の人々とのつながりを築きながら、互いを支え合う社会的な存在なのかもしれません。
これらの研究結果は、私たちがどれだけ社会的なつながりを重視しているかを再認識させてくれます。
私たちの進化の過程で形成された社会的な結びつきこそが、私たちの存在意義の一つなのかもしれません。
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